オーバープリント その1」に続き、ここでは、オーバープリント指定ってなんであるの?ということについてです。確かに上と下の色の混合色を表現したい時に使える(※)ということなのですが、それ以外にオフセット印刷ならではの重要な理由があるんですね。

※ オーバープリントでの混合色表現は、厳密にいうと下の色要素が上の色要素に無いときに可能で、
通常は透明の乗算を使うことで混合色を表現できます。→ オーバープリント その3の余談

オフセット印刷では、プロセス4色(CMYK)の各版から、紙にインクが順番に転写されていきます。(版から紙に直接ではなく一旦ゴム版に転写され、それが紙にさらに転写される → オフセット印刷の仕組みについてはこちら
色が重なる部分で上のオブジェクトにオーバープリント指定をしなければ、抜きの状態になります。例えば青い背景の上に黒い文字(スミベタ:K100%)を置いた場合、その黒い文字にオーバープリント指定をしなければ、シアン版の文字部が白抜きになります(下図 B参照)

オーバープリントの例2

このとき、見当ズレ(版ズレ)を起こすと下図のようになって白が見えてしまいます。(分かりやすいように極端にずらしています) これでは、見栄えが悪いですよね。(見当についてはこちら

オーバープリントの例3

これに対して、B’のように上に乗せるスミ文字にオーバープリント指定をすれば、例え見当ズレを起こしても問題は起こりません。細かな文字が、比較的濃い背景色の上に沢山乗っているときなどは、オフセット印刷の仕組み上、スミ文字にこのオーバープリントを指定することは欠かせないことなのです。

実際、Adobe Illustratorでは、スミベタ(K100%)だけにオーバープリントをかけるという機能(編集|カラーを編集|オーバープリントブラック)があるのですが、これはドキュメント内にあるスミベタ(K100%)が付いているオブジェクト全てに、オーバープリント指定をしてくれるという、とても便利な機能です。

最近の印刷会社では、オペーレートミスなどのリスク回避のために、お客様からの入稿データを極力触らないというところが多いのですが、それでもこのスミ文字の見当ズレの問題は印刷現場においては非常に神経を使うところでもあり、印刷会社によっては自動的にオーバープリントの指定をしてしまうところもありますね。

 

しかし、、、スミベタ(K100%)のオブジェクト全てにオーバープリントをすることがいいのかというと、、、実は思わぬ事態になることもありますので、注意が必要です。

それについては「オーバープリント その3」にて。