印刷では、一般的に藍、ピンク、黄(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー)の色の3原色を使い、その3色をいろいろな濃淡でかけ合せることで、様々な色を表現します。実際の印刷にはこれに黒(K:ブラック)を加えた4色を基本色(プロセスカラー)としています。色の3原色全てを100%重ねると黒になるので、黒(K)はいらないんじゃないの?なんて思ってしまいますが、実は非常に重要な色なのです。

ちなみに、、、ご存知の通り光の3原色(R:赤、G:緑、B:青)というのもありますが、この3色全てを100%重ねると白になりますよね。

 

印刷に話を戻すと、Keyである黒はまさに鍵となる色で、印刷するにあたってちょっとした黒の割合で画像の場合ボヤけたり、しまりのない画像になってしまうこともあります。また文字は黒であることが多いのですが、細かな黒文字を印刷する、なんていうときには3色(CMY)だけで表現しようとすると全てをきれいに重ねないといけないのですが、これが印刷機の仕組み上簡単に重なるものではないんですね。さらに3色(CMY)で黒を表現しようとすると各色のインキの濁りや透明度などの影響により、赤っぽい黒や青っぽい黒などいわゆる正確な黒にならないので困ってしまいます。そういうときに黒のインキがあると助かりますよね。また、印刷会社にとっては黒を1色で済ませられるとインキの消費量も抑えられるのでコスト面でも大きなメリットがありますね。このように黒は無くてもいい色どころか、欠かせない色という訳です。

更に、印刷機ではそれぞれの色の濃淡を表す方法として面白い方法を使います。普通、色に濃淡をつけるというと、水彩絵の具などでは水の混ぜ具合で薄くしたり濃くしたりということができますが、印刷機ではそのようにしません。また色の原色には無い色(例えば緑)などは、絵の具ではパレットで混ぜて緑を作ることもできますが、印刷機では通常このようにしません(特色刷りは例外)。つまりインキに何かを混ぜて事前に色を作ったり薄くしたり濃くしたり、なんていうことはしません。このように様々な色を表現するのにアナログ的に処理すると印刷工程が非常に複雑になるからです。(というか恐らく不可能でしょう)

では、どのようにするのかというと、、、「網点(あみてん)」という小さな小さな点を使います。 この点の、大きさやあるいは密度で色の濃淡をつけます。また、この網点のかけ合わせで様々な色の表現ができます。実際、印刷物をルーペなどで拡大して見てみると小さな点が無数に見えます。緑色のところなどは藍と黄の点が交互に点在していることが確認できるでしょう。私は印刷業界に入った時に正直「騙されていたのか!」と思いましたね。このようにマジックのように「目を騙す」という手法で色を演出しているのがまさに印刷なのです。騙すというと聞こえが悪いのですが、実はこうすることで非常に効率的にかつ安定した色の表現ができるという訳です。こういう仕組みを考えた人はすごいなぁとつくづく思いますね。

網点網点